2004/09/20 小屋電化作戦!  Electrify The Hut !

以前からやりたいねと言いながらなかなか実現に至らなかった太陽電池の試験導入計画がやっと始動しました。
この土地の電気をどうするかというのは、ずいぶん前からの懸案事項でした。電気を引くことはできるけれど、できれば東電(もちろん関電も中電もだけど)の電気は使いたくない。となれば、自然エネルギーによる独立系システム? かっこいいけれど、果たして可能なのかどうか。
最初は、製造時や廃棄時に問題があるとされる太陽電池を避けて、風力発電を考えていました。ちょうどその頃、神鋼電気が、微風でも動作する格安の家庭用風力発電システム(その後「そよかぜくん」と命名)の販売を発表し、これならもしかして実現可能なんじゃないか!よし、住居建設予定地の西側を風車の丘にしよう、と期待は一気に盛り上がりましたが、その後詳細が明らかになるにつれて、八ヶ岳おろしが吹く冬ならともかく、それ以外の季節はやはり発電量が不安定すぎることがわかりました。
うーん、やはり太陽電池は必要か? そもそも、独立系なんて夢みたいなことがほんとにできるのか。電気を引いてしまえば簡単なのに、、、 いや、もしかして冷蔵庫をあきらめれば何とかなる? でも、自給自足に近い生活をめざしたときに、冷蔵(&冷凍)保存を一切使用しないというのは果たして可能なのか、、、
逡巡していても埒が明かないので、とりあえず試験的に太陽電池を小屋に導入してみようか、、、ということになったものの、太陽光発電システムについての実際的な知識がいまいちあやふやなことに気づき、Webでいろいろと資料を漁っているうちに、システムの構成や発電量の計算方法などもだんだんとわかってきました。特に参考になったのが、「グリーンポスト」 のWebサイトです。私の場合(M氏はどうか知らないけど)、最終的に独立系でやってみようという気になったのは、ここのサイトで読んだ「独立系の太陽光発電が利用されている山小屋などでは、明かりと冷蔵庫さえあればいいという利用者が結構いた」という何でもない一文が決め手でした。そうか、山小屋だと思えばいいんだ。明かりと冷蔵庫(あとPCも必要かな、、、)。そう、究極的にはそれでいい、、、かくして、「電力消費を極限まで抑えた上での(自然エネルギーによる)独立系システム」という方針が決まりました。
a solar panel purchased from GreenPost

で、そのグリーンポストから購入したシェルソーラー社製の75Wのソーラーパネル(SQ75)が届きました。ちょうど長座布団ぐらいの大きさのこのパネル1枚で、だいたい1日に170Wh(たとえば20Wの電球なら8.5時間分)の電気を使うことができます。
まずはこのパネル1枚を使ったシステムを作ります。パネルとチャージコントローラ(MorningStar社の「SunSaver10」)が入った宅配の荷物は、ちょうど留守にしていたため、家の前に置き去りにされていました(結構高価なものなんですが、いいんでしょうか、、、)。持ちあげたら、軽いのにびっくり、、、

      
making the place to install the solar panel

ソーラーパネルは、小屋の1階南面の東の端に庇のような形で設置することにしました。南面といっても、実際はほぼ南東方向を向いているのですが、この土地は地形のせいで午後早くに日が当たらなくなるので、午前中の東からの日射をなるべく多く受けるようにしたほうがいいんじゃないか、ということで、この場所になりました。

installed solar panel

季節によって角度を変えられるようにしようか、という案もあったのですが、簡単な角度可変機構を思いつかなかったのと、とにかくはやく設置して試してみたい、というのもあって、35度に固定しました。
接続するときは、パネルに光が当たらないように覆う必要がある、ということなので、暗くなってから接続作業をしています。
drilling a hole for wiring

パネルからコントローラ、バッテリー、インバータまでの12Vの配線は、電圧降下を防ぐためになるべく短いほうがいいだろう、ということで、小屋の1階入り口ドアの上にこれらの機器を置くことにします。
配線を小屋の中に入れるための穴をあけているところ。



charge controller, batteries, inverter, and switch

で、これがその裏側です。パネルからの距離は2m以下。

発電した電気をためておくバッテリーは、ほんとうならば頻繁な放充電に耐えるディープサイクルバッテリーを使いたいところですが、予算の関係もあって、通常の自動車用バッテリー28Ah(これなら格安で流通している)を3個つないで使ってみることにしました。小屋での電力使用が当面は微々たるものであることを考えれば、これでもかなり使えるのではないかという希望的観測です。

solar panel on the eaves

ソーラーパネルはこんな感じになりました。

light above the kitchen space on the 2nd floor

外壁の内側を通して配線を2階に伸ばし、台所スペースの上あたりに電球型蛍光灯を付けました。これは8Wの消費電力で、40W相当の明るさになります。
two lights on the 2nd floor

同じ電球をもう一箇所に付けると、かなり明るくなりました。
peeling marons under the lights

蛍光灯ですが、「電球色」なので、やわらかく黄色っぽい光です。明かりの下で栗を剥いているところ、、、
a fluorescent light on the 1st floor

小屋の1階には、15Wの直管蛍光灯(どこかのおうちの洗面台から取り外してきたもの)を付けました。これはかなり明るい。
the hut lit up

9月も半ばをすぎて日がだいぶ短くなってきたので、夕方に照明があるととても助かります。今までは暗くなったらさっさと片付けて帰っていたのに、明かりがあるのでなんとなく一息ついてしまったりして、帰りが遅くなりがちな今日この頃、、、



今のところ照明にしか使っていませんが、システムは一応快適に動作している模様。発電量が目に見えないので、ほんとうのところはよくわからないんですが、、、 せめてバッテリーの残量がわかるように電圧計でも付けたいところです。あとは12V→100Vのインバータが安物(出力が方形波)で、ラジオにノイズが出たりするので、擬似正弦波のものにバージョンアップするのが次なる課題でしょうか。電球型蛍光灯との相性もいまいち不安だし、、、

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