屋根 Roof
cut rafters (made of Japanese larch)

いよいよ屋根です。屋根垂木は、製材所で唐松を挽いてもらいました。輸入材を卒業して、なるべく地元の木を使おう、という目論見もあります。

実際に作業してみると、2×4材というのが、いかにシロウト向けの扱いやすい材であるかということがよくわかりました。初めて使ってみた唐松は、とても頑丈な材ですが、さすが大工さんに嫌われるだけのことはあって、反るは、ねじれるは、加工は難しいは、、、
でも、工業製品のような2×4材より、ずっと木らしい感じがします。
making gable end trusses

妻小壁を作っているところ。
2階の床に原寸図を書いて、その上で組み立てました。
set the rafters

妻小壁を取り付けて棟木を乗せた後、屋根垂木を取り付けます。
垂木には、棟木との接点、壁パネルとの接点にそれぞれ切り欠きを入れてあります。
roof framing

屋根らしくなりました。棟木は、7寸×1.3寸×15尺という大物で、国産材では長さが規格外になるらしいので、外材を挽いてもらいました。

overhang at the gable end

けらばを作ります。『Sheds & Garages』という小屋やガレージの建て方を開設した洋書の中に、「the most dangerous area to work on the entire roof (屋根の上での作業において最も危険な場所)」と書いてあるまさにその場所です。
確かに見てるだけで怖い、、、
lay plywood sheathing

屋根の野地板は、中古の合板がなくなったので、新品の合板も混じっています。

屋根勾配は、当初5寸勾配にするつもりでしたが、もうちょっときつくしたほうがかっこいい、という理由で5寸8分になりました。わずか8分ですが、差は大きいようで、 高所作業に慣れているM氏でも「ちょっと緊張する」そうです。
view from inside

内側から見たところ。

垂木(4寸×1.3寸)は、2尺(606mm)ピッチにしました。最初は尺五寸(455mm)ピッチにするつもりだったのですが、けらばの加工時(私は屋根の上に乗れないので、この足場の上に立って屋根上に上半身を出して作業していた)には、2尺ピッチでも狭かった。尺五寸だったら、もっときつかったかも、、、
大工さんって、身軽なだけじゃなくて、細身じゃないといけない?
trimming the edge of the sheathing

けらばの端の合板を揃えて切っているところ。この場所にいる、というだけでも怖いのに、丸鋸を使うなんて、私には信じられない、、、
ここまでの工程で、いちばんドキドキしました(見てるだけで)。

install asphalt roofing

合板の上にアスファルトルーフィングを貼っていきます。ロールがかなり重いのでたいへんです。2人でやれば少しは楽なんでしょうが、合板はもちろん、すべりにくくなっているルーフィングの上でさえ、私には歩ける斜度じゃありません。

全面にルーフィングを貼れば、雨漏りの心配はなくなるので一安心。
fill between the wall and the roof

「面戸板」で隙間を塞ぎます。上面はちゃんと斜め加工して、野地板ぴったりにおさめます。
rakes and lower edges of the roof

5寸×7分の唐松を挽いてもらって、破風と鼻隠しを付けました。
forming the end of the gutters
小屋の屋根の雨樋は、塩ビを避けてトタン製にしました。ホームセンターでは手に入りにくいので、屋根材などを扱っている甲府のお店で一式入手しました。

「やっとこ」がないので、端っこの加工(きれいにしわを寄せて折り曲げる)がちょっと大変だったらしい、、、


testing if the gutter works properly

樋と一緒に入手した金具で鼻隠しに取り付け、さっそくテストしてみました。うまく流れるようです。
lay thin lumbers to make a room for insulation

ルーフィングを張れば一安心、とは言っても、うかうかしていたら既に半年以上が経ってしまいました。そろそろ屋根材張らなきゃ。

まず、断熱材を入れるスペースを確保するための角材を、垂木ピッチで打ち付けます。そういえば、この杉の角材は、去年の秋、外壁の胴縁用に製材所で挽いてもらったもの。胴縁には別の材を使用したのでそのまま寝かしてあったのがやっと片付きました。
place insulation ("Forest Board") made of Japanese cedar barks

角材の間に、断熱材を敷きます。これは「フォレストボード」という杉の樹皮、パルプ、コーンスターチで作られた自然素材の断熱材です。
 フォレストボードについて

石油から作られた断熱材も、グラスウールも使いたくないけど、自然素材の断熱材は軒並み高価で手が出ない、セルロースファイバーは施工が難しいし、、、と悩んでいたところに、買える値段の自然素材断熱材としてやっと見つけたのが、このフォレストボードです。去年の秋、試しに20枚注文して、これも長いこと寝かせたなぁ、、、
place thin lumbers to nail corrugated sheets on

フォレストボードの上に、母屋(もや)を渡します。
the gable end and the ridge of the roof

妻側の役物(ガルバリウム鋼鈑製)はジョイフル本田に行ったときに買ってきたものです。棟包みを取り付ける台座は、唐松を加工して作りました。

nail corrugated sheets made of garvarium steel

屋根材のガルバリウム鋼鈑波板をステンレスの傘釘で母屋に打ち付けます。
このガルバリウム鋼鈑波板は、価格、耐久性、施工性、重量などを考慮して、随分前から決めていた屋根材です。『100万円の家づくり』の小笠原さんも「安くて丈夫で長持ち!」と絶賛しています。
  ガルバリウム鋼鈑について

6尺の材は一部のホームセンターで入手できますが、それ以上の長さのものは入手経路が不明でした。やっと甲府市内に購入できる所を見つけたので、注文しました。
※その後、ジョイフル本田で6尺〜10尺のガルバ波板が売られるようになりました。しかも安く。さすがジョイホン、、、
place the ridge plate

棟包みを取り付けます。えっ? 赤く見える? それは本当に赤いからです。
某有名お菓子チェーンの店舗の移築解体の仕事のときに入手した材料です。
painting the ridge plate  

シルバーの塗料が手に入ったのでやっと棟包みを塗ることができました。これで屋根も完成かな。

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