家づくりの記 −「掘立の家」
資材調達編



このプロみたいな格好してプロみたいな手 つきでチェーンソーをあやつっているのは、実はホントにプロ。チルホールほか道具一式持って長野から手伝 いに来てくれた森林組合の友人です。
これはうちでの初めての伐倒で、しかも建築中の小屋に近い微妙な場所でしたが、だいたい思った方向に倒れて一安心。













山サイ仲間のFさん所有の天城の山林。
とても出しやすい場所だけど、ちと遠い、、、


元バイク仲間数人が、伊那谷に移住して森林組合で働いています。森林組合にいるのに外国製のログハウスに住んだりしているので 「なんで?」と思っていましたが、うちひとりが最近地元の木を自分で製材して家を建て始めました。


白州で土地開拓中の友人から、敷地内の赤松伐採の依頼。こんなねじくれた松でも、太いところはちゃんと材になります。























解体まであと3日。築9年で、まだ寿命を全うしたとは言えないモノたちを、使えるものなら使って欲しいという家主さんの思い を、大切にしたいと思います。



片方がはめ殺しになっている掃き出し窓。障子の外し方がなかなか曲者でした。この金具を外し、あのビスを外し、各種パーツを外 し、それでも動かなかったのは接着剤のせいでした。
敷 地内のヒノキの伐採

「ポールビルディング」(つまり「掘っ立て」)という工法を初めて体験したのは、某B紙のイベントで「エコ ボックス」なる建物を作ったときだった。基礎の要らない工法ということで印象には残ったものの、将来この方法で自分の家を建てることになるというイメージ が果たしてそのときにあったかどうか。
その後、縁あって入手した8割が急傾斜地(というか崖だよこれは、と言い放ったひと もいた)で残りの2割も決して平らではないという土地に、いったいどんな家を建てたらよいのかと考えたとき、そして敷地内に生えていた十数本のヒノキの木 を見たとき、ポールビルディング=掘っ立てという工法が具体的なイメージとして頭の中に像を結び始めた。

と いうわけで、「掘立の家」づくりの第一歩は、まずその柱となるヒノキの伐採から始まった。太いもので根元が40cmぐらい、年輪を数えてみると50年を超 えていた。が、枝 打ちしていないため、すべてかなりの先細り。根元の太い部分は製材所で挽いてもらうことにしたが、テーパーがきついので長く取っても無駄になる部分が多く なってしまうこともあり、2mないし3mに玉切りして、力 丸(キャタビラ運搬車)でなんとか道まで運び出した。その上の部分は掘立の柱になるはずだが、重くて運べないのでとりあえず地面から少し上げてその場で乾 燥。結局着工までいくつもの季節をそこで過ごすことになった。

    2003/12/23  ヒノキの伐倒
    2004/01/28 はたらく力丸
    2004/02/07 はたらく力丸 Part2





も らってきた間伐材、拾ってきた伐採木

自分たちで家を建てている(しかも丸太を製材所に持ち込んで挽いてもらったりしている)というのを伝え聞いて、各地の友人、知 人から、いろいろとありがたい話が舞い込んできた。
「伊豆に山林があるんだけど、適当に間伐してくれるなら切った木を持ってっていいよ」という話が来たり、森林組合の友人からは「伐ったけど出せない(間伐 はしたけれど採算が取れないので現場に放置してある)」ヒノキの情報が入ったり、近くで土地開拓中の友人から「邪魔な赤松を伐ってくれれば、材はあげるけ ど、、、」という相談が舞い込んだり。話だけでなく、伐採や搬出の手伝いまでしてもらえることも多い。ほんとにありがたいことだ。
最初のうちは、この地での友人知人も少なかったので、積載量にちょっと難ありのうちのトラックで、伊那谷や天城くんだりまで出かけていたが、そのうちもっ と近所でもそういう話が来るようになり、ウッドマイル(?)がかなり減ったのはとても喜ばしい。

    2003/11/16 杉の間伐@天城
    2004/04/04 今度は伊那谷から、、、





丸 太の製材

ヒノキや杉の太い丸太は、小屋を建てるときに唐松の構造材や外壁の三分板を注文して以来、何かとお世話になっている隣町の製材所に持ち込んで挽いてもらっ た。夫婦でやっているこじんまりとした製材所なので、小口の注文でも持ち込みの丸太の賃引きでも気安く頼めて、ほんとに助かってい る
まだ設計図もなく、木拾いができる段階じゃなかったので、根太に使えそうな「いんご」(一寸五分)厚の構造材とか、内装用の六分板とか、適当に挽いてもら う。 こうやって集められた材料のリストを片手に、後日、設計図が引かれることになる。どうも、まず材料ありき、というのがわが家の基本形らしい、、、
もちろん家づくりの資材としてはそれだけでは足りないので、同じ製材所で、地元の唐松などから挽いた材を注文することも多い。

    2004/02/16  製材第二弾
    2004/03/27  雑木(ざつぼく)と言うなかれ、、、
    2004/04/14  伊那の材その後





マー ビンの窓

友達の友達の友達の家が河川工事のために解体されることになり、はずせるものは何でも持っていっていい、という情報が入ったのは、この土地を買った年の 冬、まだ小屋も完成していない頃だった。サッシはすべてマービンの木製ペアガラスという話をきいて、川崎まで出張した。タイルの外壁と格闘し、障子のはず し方に悩み、タイムリミットぎりぎりまでがんばった末の戦利品は、掃き出し窓(スライディングパティオドア)が3つと、上げ下げ窓(ダブルハング)3つ、 そして時間切れで外せなかった上げ下げ窓の中身 (障子)のみが10枚ぐらい。
そして3年後、掘っ立ての家の設計図は、このマービンの大きな掃き出し窓のサイズにも左右されることになる。

不思議なことに、マービンのサッシには、その後も何かと縁があった。M氏が稼ぎ仕事に行った現場のおうちで、増築のためのスペアとして取ってあったけども う要らないから処分してくれ、と言われて渡されたのが、なんとマービンの外開き窓(ケースメント)3つ。保管状態があまりよくなかったので古ぼけてはいる が、一応新品。これも、 もちろん設計図に組み込まれた。
さらに、湧湧(地域通貨)の仲間に頼まれて、解体される別荘から外したシステムキッチンの運搬を手伝いに行くと、この別荘の建具がまたマービン。このとき は時間がなかったので、掃き出し窓の中身だけ頂いてきたが、障子だけでももちろん使い道はある。

ゴミとなるはずだった窓たちには、新天地(?)でまだまだ働いてもらうことになる、、、

(09.01.22)



これは奥のヒノキ地帯での伐倒。ほ とんどの木は、2人で伐倒しました。方向がちょっとずれてほかの木にかかったり、ワイヤー を引く直前になって強風が吹いて怖い思いをしたこともあったっけ、、、


わが家の力持ち「力丸」くん。百人力とは言わないが五人力ぐらいの働きはあるなぁ。





お世話になっているご近所のK村さんち。
道路拡張のため伐られた杉と桧数本を、うちの材料にと提供していただきました。
さらに、邪魔な杉を1本伐ってくれという依頼で出動。伐採もだいぶ手馴れてきて、ばっちり狙いどおりの場所に倒れてくれました。
もちろんこの杉もありがたく頂戴しました。



隣町に土地を購入した湧湧(地域通貨)の仲間から、伐採した赤松を持っていってもいいよ、というお話が。山積みになっている中 から太いのを頂いてきまし た。ただ薪にするにはちともったいない、、、




お世話になっている富士見町の製材所。
なくなると、ほんとに困るので、どうかやめないでね、植松さん、、、(勝手なお願いですが)














あらかじめ作っておいた運搬用の枠に固定して、はるばる白州まで運んできました。




別口でもらってきた外開き窓3つ。集成材がグレーになったりしてますが、使用には問題ありません。しかし、あるところには、あ るんだなぁ、、、

家づくりTOP